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4月19日-5月3日 アールブリュットは今 part Ⅲ さまざまな形 それぞれの表現

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芽吹いたばかり緑、桜やコブシの花がふわり。そんな春の訪れとともにきりん舎の展示「アールブリュットは今 part Ⅲ さまざまな形 それぞれの表現」が始まりました。

今回はやまなみ工房から岡元俊雄さん、河合由美子さん、清水千秋さん、そして個人で活動している茨木朝日(あさか)さんの4人です。いずれも力強く存在感を放ちながら、それぞれのこだわりや気質を感じさせる作品群です。

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岡元さんの作品は、絵と陶オブジェ。絵は墨の描線が白い画面を太く細く走り、モチーフに新たな生命を与えます。陶オブジェは、絵にも描いているところから、ある種のこだわりを感じさせる「トラック」を立体的に再現していて、ユーモラスな仕上がり。

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清水さんは、有名絵画のほか、水着姿の女性や祭の光景など、題材選びのセンスがユニーク。時に長く、時に短く繰り出されるチェーンステッチで平面的に画面を構成して見ている人を不思議な世界に誘います。

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河合さんは、刺繍糸を丸く刺していって、ぐるぐると布を巻き込んでいきます。カラフルな糸を何度も縫い込む作業は製作日数も長くかかるとのこと。差し出された作品は立体となり、布の皺も表現に取り込まれます。

取材当日、茨木朝日さんがきりん舎を訪ねてくださいました。ギャラリーに到着してまず、きりん舎主宰の塩見を早速スケッチ。一旦絵を描き始めてノってくるとその場を離れなくなるという朝日さん。ものの5分で描きあげました。

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朝日さんの展示は色鮮やかな着彩に時折スパンコールや糸などを貼った楽しい作品群。絵の題材はさまざまですが、家のインテリアやかわいい動物が出てくるかと思うと、イモリやカエルなどの水生生物も生き生きと描かれています。

実は、朝日さんのお父さん・茨木隆宏さんは、オオサンショウウオ研究者と縁があり、ご自身も大変詳しいそう。話題が京都水族館の話になると、朝日さんも加わって、展示されているオオサンショウウオが集団でぐでんと横たわっていた話を楽しそうに話してくれました。

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「大きな羽根を広げる」という作品では、空飛ぶ鳥が風景とともに描かれています。画面の右上には、緑色に白いとんがりの「富士山」。お母さんと富士山の話をしていて、朝日さんが絵に描き入れたということです。富士山の見える山梨には、ご家族で里帰りすることもあるそうで、お気に入りは吉田の元祖キャベツ入り「白須うどん」だとか。朝日さんの描く絵は、そんな楽しい経験も再構成されているのかもしれません。

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「夢中になって描いている朝日の姿が好きで。」そうおっしゃるお母さんの茨木やよいさんは、但馬ボーダレスアート実行委員会代表として「がっせぇアート展」を運営されています。但馬地域のアールブリュットが一斉に集まる年に一度の催し、手作りのアート展はとても楽しそうです(「がっせぇアート 」“第4回がっせぇアート展 無事終了しました” http://artles.exblog.jp/20774784/ 参照)。5回目にあたる今年は11月9日より開催予定です。きりん舎からも、ぜひ伺いたいと思います。