2024/6/8~6/16 ハレの日第7歩

きりん舎の創作活動「アトリエにしまち通り」の作品発表会「ハレの日」が今年も開催され、7回目を迎えました。初日には、すてきなピアノ演奏もあり大勢が耳を傾けました。

同時展示に協力してくださったのは、恒例となった障害者支援施設 いこいの村・栗の木寮、社会福祉法人 まいづる福祉会 まぐらゆるり、社会福祉法人 綾部福祉会 あやべ作業所の方々。きりん舎理事の西村さん、日根さんの灯りの作品も寄せられました。

まずはギャラリーに入ってから、アトリエにしまち通りの作品が並びます。活動が継続される中で、作品づくりに向き合う気持ちや方法が深化しているのが興味深く思います。

  • 堀川遥香さん 雲間に虹のかかる絵は明るい気持ちにさせてくれます。
  • HARUKAさん 作者がつかみとった世界の不思議、色とりどりで形も自在。
  • 大槻めぐみさん キャンディのように小さくてかわいい人々(?)の世界
  • 柴山薫奈さん 誰の影響も受けない自分だけのビジョンを持っている人。
  • KENTAROさん 画面全体を使って線ともフォルムともつかない独自の領域。
  • KOICHIさん 大好きな仮面ライダーの一番好きなところを的確に表現。
  • 四方美紀子さん 圧倒的だった表現欲に少し抑制を効かせて視野の広がりが感じられる。
  • 衣川早耶香さん モザイクタイルみたいな小さなパーツが集まった絵がかわいい
  • KEISUKEさん ロードサイドの店舗を段ボールや広告チラシで作った模型や模写が楽しい。
  • 四方久輝さん 3月、4月、5月、6月の季節の行事を描いた優しい絵

また奥の間に1点だけ大内巡さんの絵もあります。想像の町でしょうか、繊細で細かく描きこまれています。きりん舎理事二人の作品は暖かくやさしい光を放つ作品。今回はきらきらしてかわいい虫もついてきました。

奥の間に入って右手、目に入ってくるのは、まぐらゆるりからの6人6作品。それぞれテーマや表現方法は異なっていて一人一人個性豊かで色鮮やか。どれもすてきですが、例えば谷口弘晋さん「無題」は、色鉛筆を使い、重ね着けにもためらいがなく重層的な効果を生んでいました。また、徳尾隼締さん「自分の顔」も自分が感じたままの顔を正直に描いていると思われ、隠し立ての無い美しさが伝わります。

盲ろう者である山口和男さん(いこいの村・栗の木寮)の陶芸作品は「家」「手」「自転車」「顔」「バス」の5点。これらは若い時に見えていた記憶をもとに作ったものや、いまもてる感覚により再現したものたち。

奥の間向かって左手に並ぶのはあやべ作業所からの7人7作品が絵画展示、そして1人はテキスタイル1点。桜井三郎さん「無題」は画用紙の四隅を囲ってフレーム状に開けた真ん中になんらかのオブジェ。緑を基調に、ピンク、オレンジ、黄色のさし色が鮮やかで目を引きます。中島宏亮さんのさをり織は緋色の糸を基調として端正で色合わせが美しく、見応えがありました。

アトリエという居場所が在ること、そこに通い、作品を作り続けること―—継続することの意義を思いめぐらす展示となりました。そして、いつもアトリエにしまち通りを手伝ってくれている前田さんのピアノ演奏を来場者のみなさんが楽しみました。演奏に合わせてギャラリー全体の様子を動画に収めましたのでご笑覧ください。

2024/6/8 ハレの日第7歩 ギャラリーコンサート