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きりん舎の創作活動「アトリエにしまち通り」の作品発表会「ハレの日」が、今年も行われました。社会福祉法人 綾部福祉会 あやべ作業所、社会福祉法人 まいづる福祉会 まぐらゆるり、ふなや吉兵衛と仲間たち、建築デザイナーの草木義博さんも展示に参加し、またピアノのライブ演奏もありました。
アトリエにしまち通りも2017年4月のオープンから6年が経ち、今年の展示は8名の作品が並びました。作風もさまざまでそれぞれの個性のあり方に物語を感じます。
作者が関係した出来事や友だちの名前を書き留めるようにして描かれた絵。作者のライフヒストリーの一場面が楽しくうかがわれます。
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四方久輝さん。虫や動物をたくさん並べて描いた絵。触覚のようなツノや足もあって、よく見れば、お花や果物のような食べ物も。ケンタロウさん。今回は動物だけでなく人を描いたり、絵も一段とカラフルに大胆になりました。描き続けることが作者自身にも変化をもたらしているような気がします。大槻めぐみさん。人らしき顔や体がスタンプのように並ぶところはお菓子の「鶯ボール」を思い出してしまうのですが、キュービスム風にも見えて興味が尽きません。
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四方美紀子さんの幻想の世界。赤い地面、森に取り囲まれた湖も上を舞う蝶。静けさと畏怖を感じさせます。どんな物語を紡いでいるのでしょうか。KOICHIさん。仮面ライダーワールド全開です。年代別のライダーの名前と顔を描いているのは、カタログを自分で作っているような気持ちなのではないでしょうか?
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KEISUKEさん。ガソリンスタンドやチェーン店舗を再現した立体作品は屋根の下や窓の中をのぞいたところに世界が広がっています。街の風景画にも確かな目を感じます。SAYAKAさん。「リラックマ」を描いているようです。周囲の野原には四葉のクローバーの花畑、寝そべったリラックマがちょうちょと遊んでいてかわいいです。
あやべ作業所から6名の作品。淡く花が開くような作品、幾何学パターンの並ぶ作品、吸い込まれそうな紫色の円を描いた作品…引き込まれます。
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まぐらゆるりから4名の作品。みなさん色合いがきれいです。さおり織の古裂で作られた作品もありました。
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ふなや吉兵衛と仲間たちからは4名が参加。題材、着彩道具、表現方法、みな全く違って個性がぶつかりあって、大変おもしろいグループです。
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きりん舎理事の塩見節代の陶芸作品「ひおとこ」。もとは「ひょっとこ」というタイトルだったそうです。作品の手触りが形とともに魅力的です。
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草木義博さんの作品は薄暗い部屋に浮かび上がる光の糸。部屋の隅から触手を伸ばしたようなフォルムです。光の色が変わるので見飽きません。
この日のメインは運営スタッフとしてもアトリエにずっと関わってくれているMさんのピアノライブでした。久石譲やポップス、ジャズナンバーをしっとりと弾いてくれました。すばらしい演奏にみな一同「アンコール!」。Mさんはリクエストに応えて、「ポルカドッツ&ムーンビームズ」というロマンティックな曲で締めてくれました。
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