養父市で開催中の「NPO法人がっせいアート」の展示会(10月30日)と、はたよしこさんの講演会(11月1日)に行きました。展示会も良かったが夜に開催されたスタッフのみなさんとの懇親会も議論萌発して楽しめた。ギャラリーきりん舎では、11月14日から同28日まで「がっせいあーと5人展を」開催します。
今回の記念企画では、京都新聞にも取材して頂きました。当日の盛り上がりの様子
に加え、NPO法人として再スタートしたことや、アトリエ創設の“意気込み”を聞
き取って頂いた様です。
京都新聞のウェブサイトでも記事が読めます。
7月の展覧会は、滋賀県湖南市から社会福祉法人グローのバンバンアトリエで活動する5人の作品を紹介する展覧会です。また、会期中は、京都府立中丹支援学校の生徒・卒業生の作品も展示されました。初夏の緑あふれる綾部にギャラリーきりん舎を訪ねました。
最初に迎えてくれたのは畑名祐孝さんの東京タワーの連作(4枚)。よく見ると作品タイトルが作品の中に描きこまれています。俺はこれを描く!と名乗りを上げているようで微笑ましい迫力があります。画面を再構成するように描かれた墨汁の線の上に、パステルやクレヨンでたんねんに色が重ねられており、力強さのなかにも奥行きを感じる作品です。
村井崇さんの作品。こちらは、パステルで塗り重ねられたうえに墨痕あざやかにモチーフのシルエットが描かれています。ヒョウやカメが定番のモチーフだそうですが、最近は、身近な人なども描きはじめたそうです。
宮本亮さんは油絵の作品です。車いすで生活し、腕も自由に動かない彼は、指先だけでこの絵を描きます。乾くのがおそく、伸びもよい油絵の具は、彼の作画のリズムにピッタリの画材だったようです。調色された絵の具を少しづつ塗り重ねていった画面の変化を追いかけると時間を忘れてしまいそうです。
久保田洋子さんの強烈な女性を描いた作品。吸い込まれそうなくらい巨大に描かれた目と執拗なぐらいにたんねんに描かれた髪の毛が特徴です。モチーフはファッション雑誌から選んでいるそうです。
西村真智子さんの作品は、画面いっぱいに描かれた個性的なキャラクターたちが、不思議な世界を醸し出しています。2次元的でポップな作品なのに、さまよい込んだら帰ってこれないような異次元感覚を感じました。
最後に府立中丹支援学校の作品を紹介します。中丹支援学校からは学生と卒業生4名の作品が展示されました。水彩画は音楽の授業でしょうか。卒業生の高本和弥さんは迫力満点の怪獣作品。小さな怪獣たちは箸置きだそうです。
12日はギャラリーきりん舎NPO発足記念イベントとして水野哲雄(京都造形芸術大学名誉教授)・井上多枝子(バンバンアトリエ担当、NPO法人はれたりくもったりアートディレクター)両氏による講演会と座談会を開催しました。講演会と座談会の様子は別記事にてご紹介いたします。
今年も世界最大級の家具見本市であるミラノサローネに参加しました。
今回は、イタリアの知人や、日本からミラノサローネに来ていた友人の方たち沢山の訪問を受けて大いに励まされました。
また、ミラノのギャラリーから個展のオフアーも頂き、デスクトップガーデンの活動が前進している実感をも得ることができました。
展示会
会場:アルテ・ジャポネ(ミラノ市内)
日程:4月14日~18日
講演会
会場:ミラノ自然史博物館
日程:4月16日
曽和教授の講演のなかでは、きりん舎のフロントヤードを紹介していただきました。
また、講演会の末尾に自作の庭園紹介のために少しお話をさせて頂きました。
日本庭園への関心がイタリアの中でも広がっているとのことです。
「ワークセンターとよなか」のにぎやかな看板が庭に置かれ、いつもと違う雰囲気のきりん舎。ギャラリーの中も鮮やかな作品にあふれています。3月8日はワークスセンターとよなかから、展示作品の作者と職員の方々合わせて10名がきりん舎を訪れて大賑わいになりました。
庭のあちこちに出現した陶器の「ウサギとカメ」たち。竹林 亨さんの作品は、両掌におさまるサイズで、釉薬をかけた甲羅はつるつると丸くてかわいらしい。多数の亀と1匹の兎が、ともに庭に棲む生きもののようです。原料は猪名川でとれた粘土。夕暮れの猪名川で撮影されたカメの写真の展示もあり、カメの視点が水面に写っています。
中森 昇さんは驚異的なスピードで、午前中から昼にかけて絵を描き、午後のうちに陶オブジェの形を作ってしまいます。「花」「花の顔 顔と手」などの絵は、何度も塗り込まれたクレヨンが鮮やか。陶オブジェと合わせて繰り返し現れるモチーフは、なんらかのイメージの連関に意味が込められていると感じます。
山本 陽子さんの「海と太陽」(写真左)はリユースされた紙筒に紙を貼りつけ、その上から直接彩色した作品。明るいイメージを描きたかったという作者のイメージどおり、ありとあらゆる存在が生を謳歌するようにいきいきと描かれています。素材に選んだ円筒というアイデアが、表現したいテーマによく合っています。(写真右は宮崎 博明さんの「リメイクギター」)
吉田 有希さんの作品「妖怪ウォッチ」「ミヤネ屋」「ポケモンネットTV」は、毎日の新聞テレビ欄から気になった番組のコピー全てをキャンバスに書き写したもの。四角い白地のキャンバスに、律儀な様子で記録されたテキストを一つ一つ読むうちに、日常の「あわい」が作者という存在に刻まれる瞬間に立ち会う感覚を覚えます。
「年越しPARTY 2013→2014」「リメイクギター」「3人目よ」など、身の回りのあらゆる「面」をキャンバスにしてしまう宮崎 博明さんの作品。緻密ながら自由な筆さばきや、知的な読み替え作業から生まれる色彩と模様からは優しい気持ちやユーモアを感じさせ、それらが一体となって画面が移り替わっていく様子は見事の一言に尽きます。
わら半紙に描いた「お花」や、段ボールの地を残し、白く塗った背景に浮かび上がる3輪の赤い「大きなお花」。市賀 妙子さんが描いた美しい花は、他者と異なる世界観があります。余白が花を引きたて、優しげで孤高の存在を凛として見せています。作者の花への語りかけは、静かに耳を澄まさないと聞き逃してしまうようです。
大蔵 暢弘さんの記録は、タイポグラフィへの偏愛と、技術の高さがわかる展示。「ロッテリア」「笑点」「JJ」といった町のサイン、テレビ番組や雑誌のロゴなど、あらゆる記号を記憶だけで忠実に粘土で再現し、出来た途端に潰してしまうので、職員が写真や動画で撮影。作者を突き動かす謎と、リセットまでの一連の動作は不思議な共感を覚えます。
同様に映像記録で展示された溝渕 康信さんの「車」。数えきれない絵には、概ね四角い輪郭線の中に横の棒線が色とりどりに何本も走っています。線が力強い日もあれば、繊細な日もあり、職員の方が編集した数秒単位のコマ送りにより、刻々と変わる線と色が新たな表現となり、作品テーマにスピード感を与えているのも面白く感じられました。
人一倍お洒落でかっこいい着こなしが印象的だった井上 勇さん。琵琶湖で蒸気船ミシガンに乗った記憶をもとに描いた「ミシガン」が展示されています。段ボールにクレヨンで、蒸気船らしく後部の赤い外輪を備えた白い船体。のびのびとした筆致の心地よさは、グッズの絵付け皿のほうでも存分に表れていました。
今回の展示では、Tシャツや陶器皿などの小物グッズの販売コーナーも充実しており、センター利用者と職員が二人三脚となって、楽しく取り組んでおられる様子が伝わりました。