投稿者「ギャラリー きりん舎」のアーカイブ

11/14~ 11/28 がっせぇ五人囃子

11月半ば、綾部の週末は雨まじり。きりん舎のアプローチは庭の緑が一段と大きくなり、ピンオークの葉が朱色に色づいて、しっとりとした雰囲気になりました。
今回のきりん舎の展示は、兵庫県の但馬地方を舞台として毎年11月に開かれているアールブリュット公募展「がっせぇアート」で発表された方々のなかから、きりん舎がピックアップした5人の作品展示です。きりん舎では2度目の登場となった茨木朝日さんをはじめ、それぞれに個性と表現力のある作家さんの作品が集まりました。

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岡村智裕さんの作品5点。黒い紙や黒く着色した板の上に多くの色のクレヨンを強く塗り重ねたもの。写真を見る限り外側から中へと紙の形を縁取るように描いているようです。黒の背景に鮮やかさを引き立てられたスペクトラルが画面から発散するように感じられます。強烈に主張する色とパステルカラーを区別なく使用しながら、重なった部分が程よくグラデーションとなり、互いを引き立てあい、柔らかな光を放ちます。岡村さんの作品群に囲まれ、虹のオーラのようなふわりとした優しい光に包まれるように思いました。

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今田清志さんの5作品。白い紙をベースにして、人の顔にこだわりがあるのか、顔だけ、もしくは顔を強調し、簡略化された四肢と胴体をつけ足した人物などを延々と並べています。顔や耳、目鼻口の輪郭を丸く線描し、時にその輪郭線を塗り足して強調しながら、中の空白を埋めるように描き込んでいます。目の瞳を描かない場合は表情が読み取れず、描かずにおられないという強迫観念も感じる一方で、瞳が描き込まれ、眉や口の形に表情がある作品や、菩薩の顔のようにも見える作品、楽しく人々が集っているようにも見える作品もあり、今田さんが描く謎が、見る側にも照射される謎として差し出されています。

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茨木朝日さんは、去年、今年のがっせぇアートの展示を中心に選ばれた6点。くっきりと明るい色調でパズルを解くように画面を分割しながら、楽しく描いていることがすぐにわかります。美的感覚の確かさは健在で、目にしたものを正確に描写することと同時に創造の翼を広げてのびのびと描くことで、独自の世界観が生まれています。今回はスパンコールや、キラキラした紙、ペットボトルの蓋など、画材にこだわらず挑戦する作品も増えました。また黒の画用紙を使って、色鉛筆を塗り重ねた「くらやみからババッと」は、繊細な筆跡から息を潜めて暗がりからささやきかけるような画面がすてきでした。

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2階に掛かった川島清一さんの作品は、どんな紙であろうと、紙片と見るやいてもたってもいられず描いてしまう川島さんと、その1枚1枚を集めて貼り付け、大きな画面として構成したがっせぇアートのボランティアのみなさんの共作といえるかもしれません。土偶のような、鬼瓦のような、古代の神の仮面のような、不思議な形をした顔、顔、顔。こいのぼりの緋鯉や真鯉に似た魚たち。書きつけられた漢字のような文字の羅列。意味があるのか一定の描き癖パターンがあり、これらが1畳くらいの大画面になると、色鉛筆による薄い筆致であるにもかかわらず、絵の構成力が息づき始め、迫りくるようです。

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池田巧さんの作品は、数字のコラージュ作品とコンピュータとペイントソフトによる画像作品の3点。きりん舎でデジタルアートの展示は初めてです。池田さんがスクエア状のパーツを繰り返し描いて作った何百枚という画像です。「数字」にこだわりを見せる池田さん。コンピュータを得たことで、新たな表現力を手に入れたようです。形態パターンのクラスターの周囲には膨大な間があり、たいていの背景色にコンピュータの初期設定を思わせる黒が使われる中、時折、白、ピンク、黄色、緑色などの鮮やかな背景色も試みられ、無意味と意味の間を行きかう形の戯れに、こちらの想像力が掻き立てられます。
今回の展示のカギとなったがっせぇアート展。「がっせえ」という言葉は但馬弁で「すごい」

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とのことで、障がい者それぞれの個性とイキイキ、のびのびとした表現を大事にしたいという関係者の願いが感じられます。
今年で6回目を迎えたがっせぇアートは、但馬地方在住の18歳以上の精神および知的障がい者のアートを紹介してきました。これまでは但馬ボーダレスアートとして活動されてきましたが、4月から特定非営利活動法人がっせぇアートを発足し、新たに出発しました。
(参照URLはこちら→ 特定非営利活動法人がっせぇアート http://artles.exblog.jp/
今回の取材では、茨木さんご一家をはじめ、がっせぇアートの方々もきりん舎に遊びにこられ、取材者としても久しぶりのみなさんとの再会を楽しみました。最近の取り組みとしては、新たにアトリエを開所されたとのことで、障がい者の方々が立ち寄って、楽しく集いながら作品を作られるスペースができたそうです。みなさんすてきな方たちばかりで今後とも応援していきたいと思います。

展覧会「がっせぇ五人囃子」開催中

 

ギャラリーきりん舎では、11月の展覧会「がっせぇ五人囃子」が開催中です。

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「がっせぇ」は但馬弁で「すごい」という意味。今年で第6回目をむかえた、但馬ボーダレスアート展「がっせぇアート」で活躍されている作家の中から5人を選抜しての展覧会です。「がっせぇアート」は100人以上の作品が一堂に会する迫力満点の展覧会ですが、この展覧会では個人の作品にじっくりと向き合えます。

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アットホームな、きりん舎の空間で見ると作品ものんびりとくつろいでいるようにも感じられます。

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今回販売のTシャツは、直接ペイントされた一点ものです。他のグッズもおすすめです。

展覧会は11月28日土曜日まで開催中です。秋の行楽をかねて、綾部のギャラリーきりん舎をのぞいてみてください。

「がっせいアート」

 

「NPO法人がっせいあーと」の展示会(10月30日)

養父市で開催中の「NPO法人がっせいアート」の展示会(10月30日)と、はたよしこさんの講演会(11月1日)に行きました。展示会も良かったが夜に開催されたスタッフのみなさんとの懇親会も議論萌発して楽しめた。ギャラリーきりん舎では、11月14日から同28日まで「がっせいあーと5人展を」開催します。

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仏蘭西

フランスのパリ・デザインウイーク(9月)に合わせたグループ展に出展した。一般の方だけでなく、アート系の学生、アーチストやギャラリーのキュレータ、評論家のような方たちが沢山来館され、とても盛況でした。今回は、ドイツの「Johanssen-garllery」のキュレーター・パスカル・ヨハンセン氏が見えて、出展を打診されたのは僥倖でした。

仏蘭西 写真 1

仏蘭西 写真 2

仏蘭西 写真 3

仏蘭西 写真 4

仏蘭西 写真 5

仏蘭西 写真 6

仏蘭西 写真 7

 

京都新聞に紹介されました

今回の記念企画では、京都新聞にも取材して頂きました。当日の盛り上がりの様子
に加え、NPO法人として再スタートしたことや、アトリエ創設の“意気込み”を聞
き取って頂いた様です。

京都新聞の記事 2015-07-22

京都新聞の記事 2015-07-22

京都新聞のウェブサイトでも記事が読めます。

 

7/4~ 7/19 遊ぶ心 – 躍る表現

7月の展覧会は、滋賀県湖南市から社会福祉法人グローのバンバンアトリエで活動する5人の作品を紹介する展覧会です。また、会期中は、京都府立中丹支援学校の生徒・卒業生の作品も展示されました。初夏の緑あふれる綾部にギャラリーきりん舎を訪ねました。

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最初に迎えてくれたのは畑名祐孝さんの東京タワーの連作(4枚)。よく見ると作品タイトルが作品の中に描きこまれています。俺はこれを描く!と名乗りを上げているようで微笑ましい迫力があります。画面を再構成するように描かれた墨汁の線の上に、パステルやクレヨンでたんねんに色が重ねられており、力強さのなかにも奥行きを感じる作品です。

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村井崇さんの作品。こちらは、パステルで塗り重ねられたうえに墨痕あざやかにモチーフのシルエットが描かれています。ヒョウやカメが定番のモチーフだそうですが、最近は、身近な人なども描きはじめたそうです。
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宮本亮さんは油絵の作品です。車いすで生活し、腕も自由に動かない彼は、指先だけでこの絵を描きます。乾くのがおそく、伸びもよい油絵の具は、彼の作画のリズムにピッタリの画材だったようです。調色された絵の具を少しづつ塗り重ねていった画面の変化を追いかけると時間を忘れてしまいそうです。
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久保田洋子さんの強烈な女性を描いた作品。吸い込まれそうなくらい巨大に描かれた目と執拗なぐらいにたんねんに描かれた髪の毛が特徴です。モチーフはファッション雑誌から選んでいるそうです。
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西村真智子さんの作品は、画面いっぱいに描かれた個性的なキャラクターたちが、不思議な世界を醸し出しています。2次元的でポップな作品なのに、さまよい込んだら帰ってこれないような異次元感覚を感じました。
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最後に府立中丹支援学校の作品を紹介します。中丹支援学校からは学生と卒業生4名の作品が展示されました。水彩画は音楽の授業でしょうか。卒業生の高本和弥さんは迫力満点の怪獣作品。小さな怪獣たちは箸置きだそうです。
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12日はギャラリーきりん舎NPO発足記念イベントとして水野哲雄(京都造形芸術大学名誉教授)・井上多枝子(バンバンアトリエ担当、NPO法人はれたりくもったりアートディレクター)両氏による講演会と座談会を開催しました。講演会と座談会の様子は別記事にてご紹介いたします。

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きりん舎第一回通常総会開催

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綾部市I・Tビル

2015年5月10日日曜日、きりん舎第一回通常総会を綾部市I・Tビルで開催しました。

総会では、平成27年度事業計画・収支予算の2つの議案が承認されました。また、7月に行われる展覧会と記念事業である水野哲雄氏・井上多枝子氏の講演会や、きりん舎アトリエ開設の計画について活発な意見交換が行われました。

ミラノサローネに参加しました。

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今年も世界最大級の家具見本市であるミラノサローネに参加しました。

今回は、イタリアの知人や、日本からミラノサローネに来ていた友人の方たち沢山の訪問を受けて大いに励まされました。
また、ミラノのギャラリーから個展のオフアーも頂き、デスクトップガーデンの活動が前進している実感をも得ることができました。

展示会
会場:アルテ・ジャポネ(ミラノ市内)
日程:4月14日~18日
DSCF1367 オープニングパーティ

 

作品写真

講演会

会場:ミラノ自然史博物館
日程:4月16日
曽和教授の講演のなかでは、きりん舎のフロントヤードを紹介していただきました。
また、講演会の末尾に自作の庭園紹介のために少しお話をさせて頂きました。
日本庭園への関心がイタリアの中でも広がっているとのことです。

きりん舎の庭の紹介をしていただいた自作の庭の紹介