11月8日~10日にかけて、栃木県那珂川町の“もうひとつの美術館”では「すずかけ工房展」を見学し、絵本作家・はたよしこさんのトークを聞き、東京世田谷美術館では、刺激的な展示を堪能しました。アールブリュットの理解や、アトリエ活動の在り方については、実に多様な考え方があり、今さらながらいろいろと考えさせられる旅を経験しました。“きりん舎”では、多様な理解やアトリエ活動を、多様な姿で社会とつなぐ場所でありたいと考えています。
11月8日~10日にかけて、栃木県那珂川町の“もうひとつの美術館”では「すずかけ工房展」を見学し、絵本作家・はたよしこさんのトークを聞き、東京世田谷美術館では、刺激的な展示を堪能しました。アールブリュットの理解や、アトリエ活動の在り方については、実に多様な考え方があり、今さらながらいろいろと考えさせられる旅を経験しました。“きりん舎”では、多様な理解やアトリエ活動を、多様な姿で社会とつなぐ場所でありたいと考えています。
ギャラリーきりん舎では、現在、第4回目の展覧会、ふしみから8プラスαのアートの風が開催中です。
今回は、京都市ふしみ学園の中に生まれたアーティスト集団、アトリエやっほぅ!!の登場です。
ギャラリーでは、アクリル絵の具やクレパス、墨などをつかって描かれた、4人の個性的な作品と、アトリエのみんなの共同作業で作られた陶芸作品が展示されています。
2階の和室には、陶芸作品でできた街が。よく見ると、金閣寺や大文字山、京都タワーが。新幹線も走っています。
アトリエやっほぅ!!は、陶芸作品を中心にTシャツや、ポストカードなどのアートグッズにも力を入れているようです。ギャラリーきりん舎でも、作品展示期間中に販売しています。
ギャラリーにお越しになって、ぜひ手にとってご覧になってください。
展覧会は、7月14日(日)までです。
植野 康幸 うえのやすゆき
1973年生まれ。大阪府大阪市在住
2005年より作品制作を始める。
色はピンク、キャラならベティ。可愛いもの・きれいなものが大好き。
言葉のない彼がファッション雑誌VOGUE(ヴォーグ)を購読し、気に入ったものをモチーフにとことんまで描く。
日々コツコツと時間をかけ、丁寧に作品の細部まで色を積み重ねる彼の絵は、他には得難いクールな美がある。
モデルの仕草や衣服、色合いにこだわる彼は、納得いくまで何度も消しては描き、着色も複数の素材を使って
塗り重ねる。
試行錯誤を繰り返し出来上がった作品は独自の色合いに溢れ、細部に至るまで彼のこだわりで満たされている。
大川 誠 おおかわ まこと
1976年生まれ。大阪府大阪市在住
2005年より絵画作品制作を始める。その後、原羊毛によるフェルト人形「makoot Doll」の制作開始
大川は物を壊し続ける人だった。
2005年からアートを始めた事で、破壊のエネルギーが想像のエネルギーに切り替った。
大川の制作に対する集中力は凄まじい。
原羊毛を手に取り、フェルト人形制作を始めると3ヶ月は作り続け、2~3日で1体を完成させる。
フェルト人形制作の手を休めて筆を持つと、同じテーマで100枚以上を書き続ける。
彼の作り出すものは鮮やかで、力強さに満ち溢れた色彩は私たちを捉えて離さない。
中村 大輝 なかむら ひろき
1988年生まれ。大阪府大阪市在住
2006年より作品制作を始める。
中村はいつも笑顔で、周りを元気にさせる力をもっている。
その絵にもまた笑顔が描かれているが、静かな石仏をたたえているかのようにも見える。
色鉛筆で力強く塗り込められた画面は同じように見えても、バックの塗り分けが違っている。
芯が無くなると違う色に持ち替えるが、その配色の意外性に惹き付けられる。
西岡 弘治 にしおか こうじ
1970年生まれ アトリエコーナス所属
2005年より制作を始める。
幼少時代から周りをハラハラさせた、多動で身軽な野性的な行動に満ちあふれたエネルギーは
30年後、「動」から「静」へと変化した。
2006年秋、コーナスに寄付されたピアノについてきた「SONATINE」の楽譜を模写し始め、
『音符シリーズ』が生まれた。
無機質な音符や記号が穏やかな遷都柔らかなカーブで描かれ、美しい旋律が聴こえるようだ。
彼がいつも口ずさんでいるフレーズと、うちなる世界がそこにある。
おおらかに描いていくため、画用紙に音符が入りきらなくなるが何としてでも入れこむ。
その収め方がなんとも面白くあっぱれだ。